■インクトゥミ
インク (ink) は顔料・染料を含んだ液体で、文字を書いたり表面に色付けするために用いられるものである。油性、水性、ジェルなどの種類がある。印刷で用いるものはインキ(オランダ語の Inkt に由来)と呼ぶ場合が多い。
今日では、ペンにつけるインクよりも、インクジェット・プリンターで使用されるインクの方が日常で触れる機会が多いかもしれない。
日本や中国で古くから使われている墨もインクの一種である。
近年はボールペンやプリンターなどで「水性顔料(染料)インク」が多用されている。従前のインクでは、油性は長時間未使用のまま保存するとインクが固まって使い物にならない、水性は保存には優れているが雨など水がかかってしまうと折角の作品も滲んでしまい、使い物にならないというケースが多かったが、そういった弱点を改善して、長期間の保存に適し、水にぬれても滲みにくいものになっている。また、手についても水洗いすれば簡単に落ちるなどといった利点を多く持っている。
種類
初期のインクは鉱物や種子、豆などの殻、イカの様な海洋生物から採られる天然染料が主なものであった。墨は黒色でアジアが発祥である。没食子インク (Iron gall ink) は古来の図面に多く用いられた。ウォルナット・インクは巨匠達の名作にも使用されたと考えられるが、その証拠は存在しない。もしウォルナット・インクが使用されたとすれば、それはすぐに退色したと考えられる。
顔料インク
顔料インクは、顔料を溶剤に溶かしたインクで、印刷面に顔料色素が付着することで印刷が行われる。
アパレル 求人は比較的耐水性に優れ、屋外用途などに多用される。ジェル状インクは摩擦、耐水性に特に優れている。
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染料インク
染料インクは、染料を溶剤に溶かしたインクで、顔料インクに比べて多くの色を作り出すことができる。印刷面に浸透することで印刷が行われるが、耐水性、耐光性は顔料インクに比べ劣る。
印刷インキ
印刷用のインキは顔料、媒剤、添加剤からなり、印刷素材や版の形式などから高粘度のジェル状のもの、低粘度の液状のものが存在する。グーテンベルクが15世紀に活版印刷を開発したのに合わせて、筆記用の液体インキとは異なった、版に付着できる高粘度のインキが開発された。現在でも大量発行を目的とした商業印刷において使用されるインキは高粘度のジェル状インキが多用される。近年では環境に対応したインキとして、大豆油インキが多用されており、新聞インキ、平版インキの64%に使用されている。
消えないインク
消えないインクは、使用される溶剤の性質により寿命が非常に短く、
アパレル 求人に蒸発する。
インド、フィリピン、インドネシアおよび他の発展途上国では、選挙における不正行為を防ぐため消えないインクを使用した。インドの選挙委員会は多くの選挙において消えないインクを使用している。インドネシアではアチェ州の選挙で使用している。マリ共和国の選挙では、インクは爪に塗布された。
金属インク
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インクの歴史
墨と硯、筆およそ5000年前に、石の表面に絵や文字を刻むための
エンジニア 転職が中国で開発された。このインクは油煙や松煙と膠の混合物であった。他地域の初期文明においても、植物の実や種、鉱物から様々な色のインクが作り出された。
墨は古代インドで紀元前4世紀から使用され、いくつかの化学成分の混合物であった。カローシュティー文字で記述された古文書が新疆ウイグル自治区で発見されている。インド南部においては、針とインクを使って文字を書くことは一般的であった。いくつかのジャイナ教の教典はインクによって記述されている。インドでは墨の煤を骨やタール、ピッチなどを燃やすことで得ていた。
古代ローマではアトラメンタム(atramentum、銅板に熱した酢か尿をかけることで得られた緑礬色)が用いられた。シャロン・J・ハンティントンはクリスチャン・サイエンス・モニターの記事でその他の歴史上のインクについて記述している。:
エジプトのカリフ、ムイッズは手や衣服を汚すことのないペンを要求した。その要求に応えて953年に万年筆の原型といえるペンが開発された。
15世紀にヨハネス・グーテンベルクが印刷技術を開発すると、それに適した新しいタイプのインクが開発されることとなった。当時、ギリシャ・ローマの筆記用インク(煤と糊、水から成る)および12世紀に開発された硫酸鉄、胆汁、ゴム、水から成る2種類のインクが普及しており、これらはどちらも版面に付着せず、印刷には適さなかった。結局、煤、テレピン油およびクルミ油からなるニス状のインクが印刷機用に開発された。
現代のインク
顔料にはその成分から、無機顔料と有機顔料の2種類に分類できる。無機顔料は有史以前から使われていた天然鉱物顔料と、化学的に合成されたものがある。有機顔料は、昔は藍玉のように植物から採った染料を種々の方法で固形化させたものが主体であったが、現在工業的に使われているものの多くは石油化学系の合成有機顔料である。有機顔料は化学構造自体が不溶性の品種(不溶性色素)と、本来水溶性の合成染料を不溶化させたレーキ顔料がある。
それぞれの顔料はカラーインデックスによって分類番号および分類名が付与されている。例えば、二酸化チタン(チタン白)のカラーインデックス名は 「C.I. ピグメントホワイト6」、カラーインデックス番号は「C.I. 77891」である。
無機顔料
無機顔料は大別して天然鉱物顔料と合成無機顔料に分類される。有機顔料に比べてはるかに生産量が多いため、日本工業規格(JIS)では特に生産量の多い12品目(別に1節を立てて後述)を統一規格の対象として規定している。
なお陶磁器の着色に使われるセラミック顔料も無機顔料に包括される。
天然無機顔料
古来、顔料は油脂類を燃やした際の煤を使用した黒色以外は自然の岩や鉱物などをそのまま粉砕したものが主体であった。黒色の煤は現在カーボンブラックと呼ばれ、非常に多様な用途に使用されている。書道で使う墨の高級品は昔ながらの油煙(ランプブラック)を使うが、一般的には天然ガスや石油を不完全燃焼させて作ったファーネスブラックが使用されている。また絵具では植物を燃やしてつくった植物性黒や動物の骨を燃やしてつくった骨炭も使われている。ラピスラズリを使ったウルトラマリン青や孔雀石を使った緑青などは高価であり、高級な絵画や装飾物に使用された。赤色は弁柄(天然酸化鉄赤)や辰砂(硫化水銀)が使われた。現在工業的に使用されているものは、アンバーやシェンナといった天然土由来の褐色顔料や、炭酸カルシウム(白または無色)、カオリン(粘土、無色)などが多い。これらの天然鉱物顔料のうち無色顔料は、淡い色を作るときに使われる他、レーキ顔料の素材としても使われる。特殊な例として白色雲母を粉砕して使うパール顔料(真珠様光沢を出す)がある。天然鉱物顔料は今日では顔料工場にて微粉砕されており、使用目的に応じた化学的処理を受けて出荷されている品種も多い。
合成無機顔料
純粋に化学的に合成された合成無機顔料は、1704年にドイツで合成された紺青(プロシア青)以来たくさんの品種がある。そのうち白色顔料は今日では亜鉛華(酸化亜鉛)やチタン白(二酸化チタン)が使われており、古くから白粉に多用され中毒を起こして問題になっていた鉛白は油絵具以外には使われなくなった。代表的な合成無機顔料としては他に合成酸化鉄赤、カドミウム黄、ニッケルチタン黄、ストロンチウム黄、含水酸化クロム、酸化クロム、アルミン酸コバルト、合成ウルトラマリン青等がある。無機顔料は一般的に有機顔料に比べると着色力・透明性・鮮明さに欠けるが、耐光性が良く塗料などに多用される。銀色や金色(銀色を黄色く着色したものが多い)の塗料やインクに使われるアルミニウム粉も無機顔料である。
日本工業規格で規定されている顔料
白色顔料:亜鉛華、鉛白、リトポン、二酸化チタン、沈降性硫酸バリウムおよびバライト粉
赤色顔料:鉛丹、酸化鉄赤
黄色顔料:黄鉛・クロム黄[1]、亜鉛黄(亜鉛黄1種、亜鉛黄2種)
青色顔料:ウルトラマリン青、プロシア青(フェロシアン化鉄カリ)
黒色顔料:カーボンブラック
セラミック顔料
釉薬の着色の目的で発見・開発されてきた顔料をセラミック顔料(陶磁器顔料)と呼ぶ。セラミック顔料は無機顔料に包括されるが、高い耐熱性と釉薬に対する安定性を持つという点において他の無機顔料と異なり、セラミック顔料以外の無機顔料とは異なる集合概念である。
代表的なセラミック顔料としてジルコングレー、プラセオジムイエロー、クロムチタンイエロー、クロムグリーン、ピーコック、ビクトリアグリーン、紺青(プルシアンブルーとは無関係)、バナジウムジルコニウム青、クロム錫ピンク、陶試紅、サーモンピンク等がある。セラミック顔料は耐熱性・耐候性・耐薬品性に優れているため、一般の無機顔料が使用されている分野での利用が検討されているが、一般の無機顔料より粉末の状態での色調は鈍く着色力が小さいためその利用の拡大を妨げている。そのため黒色・褐色・青色のスピネル系顔料や二酸化チタンを母格子とする褐色顔料では焼成温度を低くして粒を小さくすることにより一般の無機顔料の分野でも利用が拡大している。また、クロムチタン黄やクロム錫ピンク、プラセオジム黄は絵具にも使用されている。
パソコンに接続して用いるプリンター用のインク 写真の例ではブラック、シアン、
転職、イエローの4色が見える現在では消費者は補充用インクに興味を示さなくなった。使い捨てのボールペンが市場に広まると共に、万年筆は珍しくなりつつある。ホーム・コンピューティングの普及により、インクジェットプリンターを用いた家庭での印刷が一般的となっている。プリンター用インクカートリッジの購入は、50年前の消費者がペン用の補充インクボトルを購入するのと同じようになった。
印刷コストを低減しようとする消費者は、プリンター用インクカートリッジに詰め替え用インクを用いようとするが、プリンタメーカーは消耗品であるインクカートリッジの売り上げで収益を得ようとするため、カートリッジにICチップを取り付けて使用回数を制限したり、互換カートリッジメーカーに対して訴訟を起こしたりしている。(詳細は詰め替え用インクを参照)
雑学
インクとインキ
日本の著名なドイツ語学者関口存男は、
人材紹介「関口・新ドイツ語の基礎」(ISBN 4384016786)の中で、
SEO対策"ch"の読み方の説明において、平行した例として「インクよりもインキが正しい」と記している。『たとえば英語のinkを、近頃の人は、正しいつもりでインクと言いますが、私たちの頃にはインキと言ったものです。kは[ク]だ、[キ]なんて変だ、などというなかれ、それは笑うほうがおかしい。インと言ったら、言った口は[イ]の恰好をしている。その恰好のままでkと喉の奥を弾いてごらんなさい、どうしたって[キ]みたいな音が出るじゃありませんか。それを、inと言った後に、わざわざ口恰好をuのように変えて、それから[ク]だなんて言うのは、だいいち英語の発音を知らない大馬鹿野郎のすることです。だから、[インク]は誤り、[インキ]が正しいのです。』(P21より引用。初稿は1947年(昭和22年)刊の「標準初等ドイツ語講座」。)